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最終更新日:2006年2月21日


●藪蕎麦御三家散歩 2001年1月7日 V04L05 

 団子坂を紹介した時に藪蕎麦の発祥の地として紹介しましたが、今回は藪蕎麦の中でも特に有名な藪蕎麦御三家を回ってみたいと思います。あまりに有名なので何時行っても混んでいます。


kanda-yabu1w.jpg  団子坂でも紹介しましたが、藪そばの発祥地は”団子坂蔦屋(つたや)”です。「明治東京畸人傳:森まゆみ著」によると「初代はもと山口伝次郎といい、伊勢安濃津藩主藤堂和泉守の家臣であって、千駄木町にあった下屋敷に勤番でいたが、そば打ちが上手で、漆器の手細工も玄人はだし、・・・武士が性にあわず、齢三十のころ、家筋へは夫婦養子を迎え、自らは三輪姓を名乗り、町人になって団子坂の権現山に三百坪の土地を求め、そば屋を開業した。・・・明治に入り、三輪氏は、土地を買い足し商売を拡張した。『東京古事便』に、「田野眺望最もよく、また庭先には古苔滑らかにして、離座敷等多く、閑静なるものありて、その趣き、真に風雅なり」とある。」とあります。団子坂蔦屋がなぜ”藪”という名前になったかというと、あまりに周りに竹藪が多くて自然と「藪」と通称されるようになったみたいです。

<かんだ 藪蕎麦>
 藪蕎麦御三家のトップはやはり”かんだ 藪蕎麦”です。上記の団子坂蔦屋の神田連雀町店(現在の神田淡路町2丁目)を浅草蔵前で「中砂」というそば屋を営んでいた「堀田七兵衛」が明治13年に譲りうけ、屋号を「薮蕎麦」として”かんだ 藪蕎麦”が営業を始めています。以来、蔦屋が廃業した(三代目三輪伝次郎が明治39年頃に相場で失敗)ことにより「薮蕎麦本店」として”かんだ 藪蕎麦”が看板をうけつぎました。”並木藪蕎麦”は「堀田七兵衛」の三男の「勝三さん」が大正2年(1913)に浅草並木町に出店したものです。”池之端藪蕎麦”は「勝三さん」の次男の「鶴雄さん」が出店したものです。「勝三さん」の長男の「平七郎さん」は当然”並木藪蕎麦”をついでいます。

左の写真は”かんだ 藪蕎麦”です。いつ行っても並んでいます。ただここがいいのは屋根付きの並ぶ場所があることです。並木藪蕎麦等は外で待たねばならず冬は大変です。ここで注文すると、大きな声で注文の口上を言ってくれます。がなかなか良いです。又お店が広いのでゆっくり食べられます。まあ、一回は食べてみたいそば屋さんですね。

神田淡路町界隈は昔ながらのお店(竹むら、末栄亭、神田まつや等)が多くあります。紹介は改めて近日中に行います。乞ご期待!!

namiki-yabu2w.jpg<並木藪蕎麦>
 浅草寺の仲見世を出て雷門からまっすぐに少し歩くと右側に”並木藪蕎麦”があります。私が好きな本の一つ「ソバ屋で憩う(いこう)−悦楽の名店ガイド101−」の全国101店中の特選五店の一番最初に出てくるお店です。また紹介しているタイトルがよくて”江戸前ソバ屋の原点”と書かれています。「ここのソバを食べずして江戸(東京)のソバを語るなかれ」です。特に”並木藪蕎麦”の特徴は”もりそば”のそば汁だと思います。かなりの濃口で、本当にそばに少しだけ付けて食べます。”付ける”のであって”漬ける”ではありません。またここの”かけそば”はなんともいえず美味です。そばとだしと葱のマッチが良く、どれ一つを欠いてもおいしくありません。関西人の私が”かけそば”を誉めるのですからよっぽどです。ちなみに私は”もり”と”かけ”と”熱燗”を頼みました。やっぱりそばにはお酒があいますね!そば味噌も練りが硬くて美味しかったです!

右の写真は”並木藪蕎麦”です。店の前が浅草地下駐車場の出入り口になって風景がよくなくなりましたが雷門が直ぐそばで、浅草のよき雰囲気を持っているお店です。

ikenohata-yabu1w.jpg<池之端藪蕎麦>
 上野広小路から豆大福で有名な岡埜栄泉の前を通り、鈴本演芸場の先を左に曲がります。この通りは歓楽街で女性が一人では歩けそうもない、あまり雰囲気の良くないい通りです。目の前がホテルパークサイドなのですぐに場所は分かります。お店は上記2店とは違いビルになっています(少々残念)。ここも”もりそば”の汁がなかなかです。並木藪蕎麦ほどの濃口ではありませんが、そこそこの濃口で”かんだ藪蕎麦”との中間位です。ここでも”もりそば”は付けて食べます。口の中に入った時のそば自体の歯触り、舌触りがなとも言えません。特にそばののどごしがたまりませんね!!ここでも熱燗を頼みましたが、そば味噌の練りは程々でした。並木藪蕎麦と比べると庶民的な味と表現すると丁度いいかもしれませんね。

左の写真は”池之端藪蕎麦”です。道路の向い側はホテルですが、周りが飲み屋街で少々雰囲気が悪いです。ここも一度は味わっておきたいおそばの一つです。


かんだ藪蕎麦付近地図


 並木藪蕎麦付近地図

池之端藪蕎麦付近地図


【参考文献】
・江戸そば一筋:堀田平七郎 柴田書店
・明治東京畸人傳:森まゆみ 新潮文庫
ソバ屋で憩う:杉浦日向子 新潮文庫

【交通のご案内】

・かんだ 藪蕎麦:営団地下鉄丸の内線淡路駅/営団銀座線神田駅/都営新宿線小川町駅下車徒歩3分
・並木藪蕎麦:営団地下鉄銀座線浅草駅/都営浅草線浅草駅下車徒歩3分
・池之端藪蕎麦:営団地下鉄銀座線上野広小路駅/営団千代田線湯島駅/都営大江戸線上野御徒町駅下車徒歩3分

【お店のご案内】
・かんだ 藪蕎麦:東京都千代田区神田淡路町2-10 電話:03-3251-0287
 営業時間(11:30〜19:00) 定休日:無休
・並木藪蕎麦:東京都台東区雷門2-11-9 電話:03-3841-1340 
 営業時間:11:30〜19:30 定休日:木曜
・池之端藪蕎麦:東京都文京区湯島3-44-7 電話:03-3831-8977
 営業時間:11:30〜14:00 (日曜、祝日11:30〜20:00)16:30〜20:00 定休日:水曜

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