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最終更新日:2006年2月20日

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●桜餅を歩く 2002年3月23日 V02L01
  道明寺の写真を追加<2003/06/07>
 今週は与謝野晶子の続きを行う予定だったのですが、桜の花がもう散ってしまいそうなので4月に予定していました「桜餅を歩く」を早めて紹介します。3月は「きんつば」に続いて甘いものばかりになってしまいました。すこしこえたかな!!

sakuramochi-cho11w.jpg<道明寺>
今日は桜餅の関東風と関西風の違いと、塩漬け桜葉の枚数についてお話をしてみたいと思います。最初に関東風ですが、餡を小麦粉で作った薄皮で包みます。関西風は、餡をあらくひいた道明寺粉で作った餅で包みます。道明寺粉とは大阪の道明寺(大阪府藤井寺市道明寺1-14-31)に由来するもので、道明寺糒(ほしい)という”もち米”を使ったものです。桜餅といっても上記のように大きく二つに分けられ、作るお店によって塩漬け桜葉の枚数や餡、形状等がいろいろ変わってきています。

左の写真が大阪府藤井寺市の道明寺です。お寺の周りには桜餅の和菓子屋さんがたくさん有るのかと期待して訪ねたのですが、全くありませんでした。この道明寺はもともとは道明寺天満宮の中にあったのですが、明治の神仏分離で分かれてしまったそうです。

sakuramochi-cho11w.jpg<長命寺 桜もち>
 
芥川龍之介の「本所両国」の中に「僕等はその時にどこへ行つたのか、兎に角伯母だけは長命寺の桜餅を一籠膝にしてゐた。すると男女の客が二人、僕等の顔を尻目にかけながら、「何かひますね」「うん、糞臭(くそくさ)いな」などと話しはじめた。長命寺の桜餅を糞臭いとは、―― 僕は未だに生意気にもこの二人を田舎者めと軽蔑したことを覚えてゐる。長命寺にも震災以来一度も足を入れたことはない。それから長命寺の桜餅は、―― 勿論今でも昔のやうに評判の善いことは確かである。しかし餡や皮にあつた野趣(やしゆ)だけはいつか失はれてしまつた。……」とあります。むかしは桜餅といえば「長命寺」で、江戸っ子にはこれしかなかったようです。長命寺の桜もちについては既に紹介していますのそちらをみてください。


sakuramochi-cho13w.jpg左上の写真が長命寺 桜餅です。塩漬けの桜葉三枚で包まれているのが特徴です。三枚の桜葉を取った写真が右です。小麦粉で作った薄皮で餡を包んでいるのがよく分かります。高浜虚子が「三つ食えば葉三片や桜餅」と歌っていますが、三枚なのですぐに長命寺の桜餅とわかります。薄皮と薄皮に包まれた餡の甘さと塩漬けの桜葉のコンピネーションが最高です、ただ桜葉が三枚だと多いので私は二枚で食べています。話は戻りますが「長命寺桜もち」は長命寺で作っているわけではなく、長命寺の裏手の「山本や」がお店をだしています。一個190円です(リーズナブルな価格ですね、人気があるはずです)


sakuramochi-chiku11w.jpg<竹隆庵岡埜 桜餅>
 きんつばの時に紹介したお店です。東京で関西風の”道明寺桜餅”を作るところが余りなく再登場をしていただきました。前回も紹介しましたが岡埜栄泉系列のお店で、大福、きんつばなど個性的な和菓子をたくさん作っています。てまひまがかかっていると思いますが、桜餅一個340円はすこしお高いとおもいます。お店は東京の下町、根岸4丁目にあります。

sakuramochi-chiku12w.jpg左上の写真が道明寺桜餅です。塩漬けの桜葉二枚であらくひいた道明寺粉で作った餅で餡を包んでいるのをまた包みます。右の写真が塩漬けの桜葉をとったものです。餅のご飯粒の”つぶつぶ感”がなんともいえませんね、これも塩漬けの桜葉との組み合わせが甘さをおさえて食べやすくしています。塩漬けの桜葉二枚は私には丁度いい枚数です。


sakuramochi-mitsuhashi11w.jpg<三はし堂 桜餅>
 なんと創業150年の中央区日本橋の和菓子店です。このお店の桜餅は四角く切った塩漬けの桜葉二枚で餅(餡も)を包んでいるのが特徴です。包んでいるというより は薄皮で 挟んでいるような感じです。餅の味よりは餡の甘さが少し強くでています。桜餅一個220円です(餅の色が白いのがつぶ餡で、ピンク色がこし餡です)。

左の写真が三はし堂の桜餅です。隅田川に懸かる清洲橋のすぐ手前の隅田川に向かって左側にお店があります。ビルの角で小さなお店なので見落としますので注意してください(以前は日本橋浜町3丁目の交差点の角にありましたが移転したそうです)。

sakuramochi-shiose11w.jpg<塩瀬総本家 桜餅>
 潮瀬のホームページによると「塩瀬の初代林浄因は1349年中国より来日し、奈良に住み日本で始めて小豆餡入りの饅頭を作りました。室町時代後土御門帝より桐の紋を拝領し、足利義政公より日本第一番饅頭所の看板を贈られました。豊臣秀吉、徳川家康の寵愛を受け後水尾帝よりは塩瀬山城大掾藤原の官位を授かりました。江戸開府と共に江戸に移り、創業以来650年製菓に務め今日に及んでおります。」とあり、650年はすごいですね、その上で「日本第一本饅頭所」の看板を背負っているお店です。塩漬けの桜葉一枚で包んでいますが、餅と餡がさっぱりしていて塩漬けの桜葉が一枚でも上品な味に仕上がっています、さすがですね。一個230円です。

左の写真が塩瀬総本家の桜餅です。場所は中央区明石町で聖路加病院のすぐ近くです。本店に買いに行くには場所が不便ですが、百貨店に出店されていますのでそちらで買われたらいいとおもいます。

桜餅のお店地図
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【お店の住所】
・長命寺桜もち(株式会社やまもと):東京都墨田区向島5-1-14  電話:03-3622-3266
・竹隆庵 岡埜:東京都台東区根岸4-7-2 電話:03-3873-4617
・三はし堂:東京都中央区日本橋中洲7-1 電話:03-3666-3841
・塩瀬総本家:東京都中央区明石町7-14 電話:03-3541-0776
 

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