< 阪神芦屋駅> 村上春樹は「辺境・近境」ではほとんど芦屋について書いていません。「小さな川を越えて芦屋市に入る。かつて通っていた中学校の前を通り過ぎ、かつて住んでいた家の前を通り、阪神芦屋駅まで歩く。駅のポスターを見ると、日曜日(今日だ)の二時から甲子園球場で「阪神・ヤクルト」のデーゲームがおこなわれるとある。それを見ていると急に甲子園球場に行きたくなってきた。」とあり、この日は結局、阪神芦屋駅からそのまま甲子園球場に行ってしまいます。翌日は阪急芦屋川駅から歩いているのでなにも書かれていません。芦屋について書いているのを探してみると「夢のサーフシティー」と「スルメジャコフ対織田信長家臣団」のなかにでてきます。「1.在原業平 2.谷崎潤一郎 3.村上春樹というのはすごい組み合わせですね。たしかに三人とも芦屋市に住んでいたんだ。あとのお二人がお墓の中で身もだえしていなければいいんですが。」 とか 「僕がいたころの芦屋には、店なんてものはほとんどなかったような気がします。やっとあったのが、「アンリ・シャルパンティエ」くらいですね(まだありますが)。」とかで、「アンリ・シャルパンティエ」については回答の形で再度書いています。「本店は兵庫県芦屋市にありまして、昔は(というと30年くらい前です)ベイクト・アラスカなんてここでしか食べられませんでした。よくデートした女の子とここに行ったなというささやかな個人的思い出があります。ほんとうにささやかなんですが。地震のあとで行ってみたらまだちゃんとやっていて嬉しかった。その近くにある書店、芦屋宝盛館で僕はいつも本を買っていました。昔はあそこくらいしかちゃんとした書店はなかったんですよね。今では駅前にいろいろとビルなんかもできたみたいだけど、昔は芦屋というとほんとにのんびりした、なんにもないふつうの住宅地だったんです。今久しぶりに帰ってみると、何がなんだかまったく地理がわからないくらいです。もちろん地震でいろんなものががらっと変わっちゃったということもあるのだけれど。」と書いています。谷崎潤一郎の芦屋については別に特集していていますのでそちらを見てください。 「アンリ・シャルパンティエ」は阪神芦屋駅の近くに本店があります。村上春樹が食べた「ベイクト・アラスカ」はもうありませんでした。お店の方に聞きましたら作る手間がかかるので10年前に止めてしまったそうです。どんなお菓子かというと、アイスクリームにメレンゲの焼いたもので覆った上からブランデーをかけて火をつけて出していたそうです。ブランデーの加減が難しかったそうです(私も食べるチャンスがあったのに残念です!)。東京でも大手の百貨店に出店していますのでお菓子を食べられます。お店の場所はホームページを参照して探してください。
★左上の写真が阪神芦屋駅です。駅のホームは芦屋川の上にあってなかなか眺めの良いプラットポームです。上記に書かれている 芦屋宝盛館は写真の右側(写っていない)辺りです。
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