< 芝区西久保桜川町二番地 風柳館>
芝二本榎木町の借家は相当ひどかったようで、翌年の6月 芝区西久保桜川町二番地 風柳館に転居します。「…曾て七年ほど住んで見た浅草新片町の界隈に下町風の江戸の面影が残って居た。芝の桜川町の邊は愛宕山に近くて、武家の町若くは寺町としての江戸の名残をとゞめて居る。あの界隈には昔風の屋敷の跡、古めかしい木造の門、並んだ窓などがまだ見られる。寺も多い。増上寺は東京の『ノオトル・ダム』の感がある。あの丸の内の城の方から徳川家の命日々々に増上寺へ通って行つた前世紀の貴婦人のことが想像される。…」。増上寺がノウトルダム寺院とは、なかなかの発想てす。私たちでは考えもつきません。芝区西久保桜川町の風柳館は高等下宿でかなり有名だったようです。下宿宿料が70円/月ですから、普通の人は下宿できませんね。(明治40年頃で夏目漱石が東京帝国大学教授で80円/月でした。)
★左の写真の少し先の左側ビルの奥辺りです。現在の港区虎ノ門1−25付近です。全く変わってしまって昔の面影はありません。
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