<上海歴史ガイドブック>
私のような歴史好きが上海を歩くには、なくてはならないガイドブックです。初版は1999年6月に出版され、昨年の12月に増補改定版が出版されています。上海万博が2010年に開催されたこともあり、上海の街並みの変わり様はすごいです。それらの変化に対応したのが増補改定版となっています。最新の地図で場所を紹介しているわけです。この本とカメラ、スマートフォンを持って上海市内をくまなく歩きました。
「上海歴史ガイドブック」からです。
「 は し が き
上海、いったいこの街はどこから来てどこへ行こうとしているのか。
世紀末を迎えていよいよ変貌ただならぬアジアの大都会が経てきた過去から現在、そしてつづく未来へと、見る者の想像をつなぐ地図を編もうと試みた。
人にとってそうであるように、都市にとっても、その過去、現在、未来は、切り離して考えることはできない。都市の今の相貌の裏に過去の時間を重ねてみることは、そのまま都市の現在を豊かに経験することにつながる。そしてまた逆に、街を歩き回る生身の人間の等身大のふるまいが、無機的なスペースから、経験によって意味づけられたトポスヘと、「上海」という場所そのものの持つ味わいを深めていくことともなる。
このマップは、まずは無償の好奇心をかてに自分の足で上海を歩こうとする人のために編まれた地図である。
上海こそは、現在の皮一枚の裏側によどむ空気のなかに、「近過去」の手触り、息吹きを感じさせずにはおかない場所であった。教科書の中だけにあるわけではない「歴史」、さまざまな感覚によってつながるそう遠くない過去の記憶の充填された場所、「上海」。
旧市街の大規模な再開発によって、その「上海」が急速に、そして確実に姿を消していく。そんないまこそ、全身の感覚を通じて都市を味わい、その変容へ等身大の行動で参画することをもくろむ遊歩者たちのツールとして、このマップが活用されれば、編者の喜びはこれに過ぎるものはない。
マップの製作にあたっては、できる限り実際に現地を歩いて、最新の状況をカバーしようとつとめた。とはいえ、限られた時間の申で、急激に姿を変えつつある大上海をくまなく踏査しつくすのは、もとより一個人の力の及ぶところではなかった。編者の現地調査の追跡しえなかった新たな変化が、この地図を手にされた方々自身によってアップデートされていくことを切に期待する。
1999年初夏編著者しるす」
”この本とGPS付のスマートフォンがあれば何処でも行けるとおもったのですが、中国ではGPSでの位置情報が正確ではないようです。Googleの地図では約200m位西にずれて表示されます。わざとずらしているようです。GPSを使う事自体が法律に触れるようなことを耳にしました。中国でスマートフォンを購入して使っている人はどうしているのでしょうか?
★写真は2011年12月発行の大修館書店版「上海歴史ガイドブック」です。編集者は木之内誠さん、出筆者は野澤俊敬さんです。よくここまで詳細に調べているなと感心しています。