今週は東京からかなり離れて九州の佐賀を歩いてみました。松本清張の「張込み」が九州の佐賀市を舞台にしています。刑事二人が東京から犯人を追いかけて佐賀に向かいます。私も東京から佐賀に向かいました。「張込み」を読んだり、映画を見たりしていないと面白くないとおもいます。
今回の取材は、原作と、昭和33年(1958)1月 出演:大木実、宮口精二、菅井きん、高峰秀子で映画化された「張込み」の撮影場所を下記の「日本映画を歩く」を参照しながら紹介します。映画の方は昭和32年撮影なので、撮影の建物等が残っているか期待しながら佐賀を訪ねました。
<日本映画を歩く> お馴染みの川本三郎氏が「日本映画を歩く」の中で『「張込み}の風景を追って佐賀から香椎、小倉へ』を書いていますので、映画の場面とこの本にしたがって歩いてみました。「松本清張の推理小説は「顔」(57年)から「彩り河」(84年)まで実に三十五本も映画化されているが、なかでも好きなのは、昭和三十二年(一九五七)に作られた野村芳太郎監督の「張込み」。原作は文庫本で三十頁に満たない短篇だがそれを脚本家の橋本忍がみごとなドラマに仕立てた。松本清張自身、この映画を高く評価していた。東京の下町の質屋で強盗殺人事件が起る。二人の刑事が事件を調べるうちに、犯人は九州から東京に働きに出て来た若い労働者だとわかる。しかし居場所がわからない。九州の佐賀市にいる昔の恋人(いまは結婚している)のところへ行く可能性がある。二人の刑事は佐賀市に行き、女の家の近くで張込みをすることになる。犯人役は田村高虞、刑事は宮口精二と大木実、そして犯人の昔の恋人が高峰秀子(美しい!)。…」。高峰秀子は本当に綺麗、美しい、の一言です。33歳ですね。妻の役がぴったりです。何故こんなに綺麗なひとがつまらない旦那の妻の役をやっているのかとおもいますが、映画なので・・・ですね。
【松本清張】 1909(明治42)年12月、福岡県小倉市(現・北九州市)に生れる。1953(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により日本ジャーナリスト会議賞受賞。70年菊池寛賞、90年朝日賞受賞。「点と線」「波の塔」「日本の黒い霧」「現代官僚論」「昭和史発掘」「古代史疑」「火の路」「霧の会議」「草の径」など多方面にわたる多くの著作がある。1992(平成4)年8月死去。98年8月、北九州市に「松本清張記念館」が開館した。(文春文庫「松本清張の世界」より)
★左上の写真が、川本三郎氏の「日本映画を歩く」です。1998年に書かれていますので、この本の書かれた時点と現在とは6年経過していますので現地は少し変わっているかとおもいます。 |