<「点と線のころ」 松本清張記念館>
福岡県北九州市にある松本清張記念館で平成12年から13年にかけて特別企画展「新たなる飛翔 ─ 点と線のころ」が開催されています。この特別企画展の図録「点と線のころ」の中に「点と線」の謎解きが数多く掲載されていました。「 「点と線」は、昭和32年2月から翌33年1月まで雑誌『旅』に連載された。初の長編 推理小説の連載だった。同年2月、単行本として出版されるや大ベストセラーとなる。社会派推理小説の分野を開拓し、推理小説ブームの原動力ともなった。「点と線」を語るとき何より重要なのは、その誕生が、清張文学そのものの可能性をおし広げたことである。現実的な日常に密着し動機を重視した推理小説は、多くの新しい読者層を獲得した。推理小説的手法と社会的視点の導入は、複雑な現代社会を描くのに有効であることを示した。以後の、社会(犯罪)小説、ノンフィクション(現代史)などの分野へと、それは引き継がれていく。「点と線」の成功は戦後の推理小説の新しい方向を示した。(清張以後)日本の推理小説は変わった。水上勉氏は新聞のインタビューに答え、清張のことを「ブルドーザーで荒野」を切りひらき、「畑作可能な耕地」を作ってくれた人と述べた。同氏や佐野洋氏らの新しい作家たちがその新開地に鍬を入れ、耕し、種をまいていった。こうして、清張は「新たなる飛翔」への挑戦に成功し、国民的作家への道の第一歩を踏み出したのだった。…」。松本清張ファン方は一度は訪ねられているとおもいますが、杉並区高井戸の自宅の一部が移築されています。一見の価値はあります(「松本清張の小倉」を特集する予定なのですがなかなか取材が出来ません)。
★左上の写真は平成12年12月15日〜平成13年3月31日まで北九州市小倉の松本清張記念館で開催された「新たなる飛翔──点と線のころ」の図録です。松本清張記念館は私も一度ですが訪ねています。