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最終更新日:2004年9月26日

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●亀戸天神と「餃子」と「くず餅」  初版2000年7月1日 <V01L01>

 今週は東京の下町、江東区のJR亀戸駅から亀戸天神までの散歩道をご紹介します。

 JR京浜東北線を秋葉原駅で降りて、階段を上がると黄色の電車の総武線ホームです。浅草橋駅、両国駅と昔ながらの下町の駅を見ながら過ごしていくと四つ目の駅が亀戸駅です。亀戸駅は東武亀戸線への乗換駅でもあり、総武快速は止まりませんがかなり乗降客の多い駅です。ここから亀戸天神までは約1Km、歩いて15分位の距離になります。亀戸天神を見られた後はそのまま蔵前橋通りを四ツ目通りまで行かれて、錦糸公園から錦糸町駅まで歩かれても負担にならない丁度よい距離だと思います。亀戸駅を北口で降りるとショッピングビルのエルナードがあり、そのなかに東武亀戸線の亀戸駅があります。駅前のロータリーは明治通りを挟んで大きく二つに分かれていて、タクシー乗場や大きなバス停になっており、明治通り沿いに亀戸十三間通り商店街があります。

   亀戸駅前でグルメの皆様に特に有名なのが「亀戸餃子」さんですね。皆さんも食べられたり、聞かれたりした事があるのではないかと思います。駅前正面に住友銀行がありますが、その右側の路地を少し歩くと(10m位)右側に昔ながらの洗濯の糊のパリと効いた白い大きなのれん(「ぎょうざ」と書いてあります)を出したお店があります。食事が出来るのは11時位(その日によって変わりますので、11時を過ぎたらお店に入ってしまって待った方がいいと思います)で、それまでの時間は持ち帰りの餃子を買う事ができます。路地の入り口には白に赤字の「亀戸餃子」の看板がおいてあるのですぐに分かると思います。中に入るとカウンターと座敷(カウンターの横)があり、30人位でいっぱいになるようです。座ると辛子を載せた小皿を出してくれます。じっと座っていると五個入の餃子を二皿出してくれます。味としては軽くて食べやすく、幾らでもいけそうです。(二皿500円でした)11時半頃には満員でした。

 「亀戸餃子」から駅前のロータリーに戻って、亀戸十三間通り商店街を蔵前通りへ歩いていきます。蔵前通りを左に曲がると亀戸天神通り商店街となります。少し歩くと亀戸天神の入口が右側に見えてきます。入口を通りすぎて10m位でくず餅で有名な「船橋屋」さんです。中でくず餅を食べたかったので、450円払って(先払いです)お店の中に入りました。木製の机や椅子、看板などが昔ながらの雰囲気を出しており、私の好みのお店でした。午前中だったので私以外にお客様はおらず、のんびりと食べる事ができました。よく駅で買って食べるくず餅と、なぜこんなに味が違うのかと思うくらい美味しかったです。たっぷりと蜜をひいた上にくず餅を載せて、その上にまたたっぷりのきな粉を載せています。このタップリ感が美味しさの秘訣ではないかと思います。

<元祖くず餅 船橋屋(船橋屋バンフレットより)
11代将軍徳川家斎の頃、江戸は文化2年〈1805年)に、「船橋屋」は創業致しました。以来、伝統の味を守り続けて、現在7代目の時代を迎えております。「船橋屋」の初代勘助の出身地は、下総国(千葉県北部)船橋で、良質の小麦の産地でした。勘助は、亀戸の天神様が梅や藤の季節に参詣客でにぎわうのを見て上京し、湯で練った小麦でんぷんをせいろうで蒸し、黒蜜きな粉をかけた餅を作りました。そして、それはまたたく間に参詣客の垂涎の的となり、その三位一体の風味が江戸っ子の心をとらえたのか、いつしか「くず餅」と名づけられて今日まで亀戸天神のみならず、江戸の名物として親しまれて参りました。そして、明治初頭に出たかわら版「大江戸風流くらべ」において、江戸甘いもの屋番付に「亀戸くず餅・船橋屋」が横綱としてランクされ、「船橋屋」の名声を不動のものとしました。
西郷隆盛、芥川龍之介、吉川英治や政界人や文化人なども「船橋屋」へしばしば足をお運び下さいました。特に吉川英治先生は、船橋屋の蜜をパンに塗って食べる事を好まれ、これがご縁で、一筆挿って頂いたのが今の看板文字でございます。この文字は、吉川英治先生の生涯で唯一の大文字だということです。

<亀戸天神>
 「船橋屋」さんから少し戻って、今回の目的地の亀戸天神に向かいます。亀戸天神は現在工事中で今年の秋まで工事がかかるようです。正面の入口からは入れず、左側から回って本殿に入りました。正面の池にはパワージャベルが何台も入って掘り返していました。秋になったらもう一度来てみようと思います。池が見られず残念でした。
 亀戸天神は江戸時代から学問の神様として信仰を集め、梅や藤の名所として庶民から親しまれてきました。寛文2年(1662)九州太宰府天満宮の神職が、飛梅の木で菅原道真の像を作り、祈ったのが創建と言われています。毎年1月24日、25日に「うそ替え神事」が行われ、前年のウソを納め、新しいウソを求めると「凶もウソとなり吉にトリ替わる」といわれており、槍の一刀彫のウソに人気があり、たくさんの人々でにぎわっています。

 もう一度蔵前通りに戻って、蔵前橋方面に少し歩いていくと四ツ目通りに出ます。四ツ目通りを錦糸町方面に歩くとすくに錦糸町駅です。

亀戸付近地図

【参考文献】
・船橋屋パンフレット:船橋屋
・東都のれん会栞:東都のれん会
・東京江戸案内 巻の三(老舗と職人編):桜井正信 八坂書房
・歴史と旅 江戸東京歴史ウォーク(3/10 増刊):秋田書店

【交通のご案内】
・亀戸餃子:JR総武線「亀戸駅」下車 徒歩1分位
・船橋屋:JR総武線「亀戸駅」下車 徒歩15分位 
・亀戸天神:JR総武線「亀戸駅」下車  徒歩15分位

【見学について】
・亀戸餃子:東京都江東区亀戸5-3-3 電話:03-3681-8854
・船橋屋:東京都江東区亀戸3-2-14 電話:03-3681-2784
 船橋屋ホームページ
・亀戸天神:東京都江東区亀戸3-6-1 電話:03-3681-0010
 

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