kurenaidan30.gif kurenaidan-11.gif
 ▲トップページ著作権とリンクについてメール

最終更新日:2006年2月19日

kaki-pi-title1.gif


●「柿ピー」について 2002年11月30日 V01L03
 今週は久しぶりに「食べ歩き散歩情報」をおおくりします。といっても、正確には食というよりは「おつまみ」といった方が正確だとおもいます。村上春樹の「村上ラジオ」のなかに”柿ピー問題の根は深い”というエッセイがあります。「世の中に永久運動は存在しない、というのは物理学の一般常識だけれど、半永久運動というか、「永久運動みたいなもの」は、けっこうある。たとえば柿ピーを食べること。」、の書き出しで始まっています。ビールを呑みながらこの「柿ピー問題」について考えながら村上春樹のエッセイを読んでみたいとおもいます。

kaki-pi12w.jpg<大磯 船橋屋 特選柿ピー>
 「柿ピー」は正確には「柿の種とピーナッツを約七対三で混ぜたもの」ですが、ビールやお酒の「おつまみ」としては最もポピュラーなもので、その割には何気なく食べてしまってあまり詳しく知られていない「おつまみ」の一つだとおもいます。大磯の船橋屋さんの「特選柿ピー」については、「神奈川県大磯の国道沿いにある「船橋屋」というお煎餅屋さんの柿ピーは、なかなかおいしいですよ。柿の種のつやがよくて、ピーナッツが香ばしく新鮮です。ぽりぽり。」、と村上春樹がしっかり褒めています。特選柿ピーは200gで600円(300円/100g)です。柿の種がしっかりしていて、その上にビーナッツの甘さがからんで、なかなかの味です。

左の写真が船橋屋さんの「柿ピー」です。私は「柿の種」と「ピーナッツ」を別々に買って、自分の好みでブレンドして食べています。ピールのつまみではこの柿の種とピーナッツの割合が大切です。船橋屋さんでは「柿の種」は200円/100g、「ピーナッツ」は300円/100gでバラバラでも売っています。当然、写真の「セット商品の「柿ピー」も売っています。

kaki-pi15w.jpg<金時米菓 柿ピーナッツ 雅駒>
 「ぴりっと辛い柿の種と、ふっくらと甘い香りのあるピーナッツが混じっていて、それをうまく配分し、組み合わせながら食べていく。誰が考えたのか知らないけど、よく思いついたよね。ちょっと普通では考えつかないとりあわせだ。考えついた人にノーベル平和賞をあげたいとまでは言わないけど(たとえ言っても相手にしてくれないだろうけど)、卓越したアイデアだと思う。」、と村上春樹は書いています。柿の種だけだと、すこし”ぱさぱさ”するし、ピーナッツだけだとすこし油濃い感じがするので、柿の種とピーナッツを組み合わせて食べるのがビールに合うのだとおもいます。最初に柿ピーが出されたのは帝国ホテルのバーだと言われています。「金時米菓 柿ピーナッツ 雅駒」は東京では紀ノ国屋のみで販売されているようです。値段は120gで400円(333円/100g)で、多分、一番高価な柿ピーだとおもいます。

右の写真が金時米菓の「柿ピー」です。柿の種の美味しさと後からくる辛さ、ピーナッツの歯ごたえのよさがなんともいえません。ビールがうまい、流石の柿ピーです。 ホームページ

kaki-pi17w.jpg<富しげ こだわりの柿ピー>
 セブンイレブンで販売している柿ピーです。「富しげ」はけっこう有名なお店でブランドとしてはかなりのものです。「柿の種が漫才でいう「つっこみ」なら、ピーナッツは「ぼけ」にあたるわけだけど、ピーナッツにはピーナッツの洞察があり、人柄があり、ただの頷き役では終わっていないところがよい。柿の種のつっこみをさらっと受けて、鋭く切り返すこともある。柿の種はそのへんを承知の上で、自分の役割を意識的にいくぶん過剰に演じている。まことに絶妙のコンビというべきか、あうんの呼吸がとれている。だから、と言いわけするのではないけれど、ビールを飲みながら柿ピーを食べていると、きりがないですね。気がつくと一袋空になっていたりする。それにあわせて (喉が渇くから) ビールもついつい飲んでしまう。困ったものだ。こうなると、ダイエットも何もあったものではない。」、と、村上春樹はビールが大好きで、とあるビール会社のコマーシャルを頼まれたそうですが、本人は断ったみたいです。”こだわりの柿ピー”、90gで100円(111円/100g)なので、上記の商品に比べてかなり安いですが、味はしっかりしていて、味も含めてのコストパフォーマンスは最高です。

左の写真が「こだわりの柿ピー」です。同じシリーズで”こだわりのバタピー”を売っていました。こちらは「でん六」製で、下記で紹介していますが、「でん六」は柿ピーも販売していますので、面白いですね。

kaki-pi19w.jpg<川越屋 ベストセレクション 柿ピー>
 ローソンで販売しているいる柿ピーです。ローソンベストセレクションシリーズのなかの一つです。『「他者が介入してくると、柿の種とピーナッツの減り方のバランスが狂ってしまう」ことである。たとえばうちの奥さんはピーナッツが好きなので、一緒に食べると、柿ピーの中のピーナッツばかり一方的にぽりぽり食べて、その結果柿の種だけが余ってしまうことになる。』、難しい問題ですね、やはり柿の種は、ピーナッツと一緒に食べて初めてピールと合うんです。どちらかが余ってしまうと本当に困りますね。川越屋はセブンイレブンの「富しげ」の柿ピーよりも、コストパフォーマンスのよい柿ピーで、155gで100円(64円/100g)です。量で勝負のようです。川越屋のオリジナル商品では「ピー柿」、210g210円(100円/100g)です。

右の写真が「川越屋 ベストセレクション 柿ピー」です。若干、安っぽい包装です。川越屋さんは、柿の種よりもピーナッツの方を主に扱っているようです。

kaki-pi21w.jpg<でん六 柿ピーナッツ>
 上記でも紹介しました「でん六」の柿ピーナッツです。こちらもかなり有名なお店です。「柿ピーを食べるときには、僕は自分の内なる欲望をできる限り抑え、柿の種とピーナッツをなるべく公平に扱うように努めている。自分の中に半ば強制的に「柿ピー配分システム」を確立し、そのとくべつな制度の中に、偏屈でささやかな個人的喜びを見いだしているのである。」、うむ〜〜難しいな〜!!。この柿ピーは近くのスーパーで146g123円(84円/100g)でした。「でん六」はブランド商品なので、”お買い得”でもローソンの柿ピーよりは高いです。「でん六」本社の通販では、商品が高級になって130gで210円(161円/100g)です。やはりスーパーとは商品が違いますね。

左の写真がスーパーで販売している「でん六 柿ピーナッツ」です。

kaki-pi23w.jpg<亀田製菓の柿の種>
 最も有名で、最もたくさん売れているのが亀田製菓の柿の種(中身は柿ピーです)だとおもいます。「世の中には甘いものと辛いものがあって、両者は互いに協力しあって生きているのだという世界観を、あらためて確認する。しかしそんなややこしい精神作業をよその人に理解してもらうのは、正直言って大変に面倒だ。だから「いやあ、まあそうなんだけど…」と口ごもりながら、いじいじ柿の種ばかり食べている。うーん、一夫一妻制ってむずかしいんだよね。今日も柿ピーを食べながら、つくづくそう思う。」、やっぱりむつかいです。価格比較では対象外です 。

右の写真が「亀田製菓の柿の種 6袋詰・スーパーパック」です。

 
【柿ピーメーカ】
有限会社船橋屋:神奈川県中郡大磯町1035 ?Z0463-61-1316
株式会社金時米菓:埼玉県越谷市新川町2-298 ホームページ
富しげ:東京都台東区西浅草3-24-6
株式会社川越屋:東京都中野区本町5-10-7 ホームページ
株式会社でん六:山形市清住町3-2-45 ?Z0120-397150 ホームページ
亀田製菓株式会社:新潟県中蒲原郡亀田町亀田工業団地3-1-1 ?Z025-382-8880 ホームページ

【参考文献】
・村上ラジオ:村上春樹、マガジンハウス

 ▲トップページページ先頭 著作権とリンクについてメール