<法華経寺>
京成中山駅を降りると駅前が参道で、まさに市川市中山は法華経寺の門前町として発展した町のようです。法華経寺は日蓮宗の名刹として有名で、鎌倉時代後期に日蓮の弟子日常が創建した法華寺と、日高の創建した本妙寺が室町時代中期に一緒になり、法華経寺となっています。今週も高橋俊夫さんの「葛飾の永井荷風」と「断腸亭日乗」を参考にします。まず断腸亭日乗の昭和22年11月からです。
「…十一月十六日。日曜日。晴。正午小瀧氏来話。心づくし及細雪批評の草稿を交附す。共に中山法華経寺御会式の景況を見る。
十一月十七日。陰。風なし。午後中山散歩。法華経寺境内今日も御会式にて雑沓す。軽業手踊を見る。木戸銭大人弐拾円子供拾円。大入の景気なり。四時過曇りし日早くも薄暗し。帰らむとする時火消の講中三四組各金箔の纏を打振り来るに遇ふ。物売る露店の娘の見て笑ふもあり。混沌たる今日の世態之を見て亦その一斑を知る可し。夜屡停電す。…」。
現在の場所は本妙寺のあった所で、法華寺は奥の院となっています。祖師堂、法華堂、四足門、五重塔は重要文化財です。聖教殿には、日蓮の自筆で国宝の「立正安国論(りっしょうあんこくろん)」が所蔵されています。また鬼子母神への信仰も厚く、子育安産の祈祷のための参詣の人も多く訪れるようです。上記に書かれている御会式は秋に開催されるため、未撮影です。昔、撮影した池上本門寺の御会式の写真がありましたので掲載しておきます。
★写真は法華経寺の赤門です。もう少し手前の京成中山駅の側に黒門があります。参道は一様車が通れますが狭くてすれ違うのが大変です。中山競馬が開催されている時は通行止めになるようです。又ここは桜の名所としても知られています。