<元町通り>
堀辰雄は神戸の中心街である中山手通り二丁目の「HOTEL
ESSOYAN」に宿を見つけ、宿泊します。翌日の昼頃に、竹中郁が迎えにきます。神戸市内の異国情緒ある町並みと食を楽しみます。
「… 正午ごろ、T君が私を誘いに来てくれた。それから二人でホテルを出ると、一時間ばかり古本屋だの古道具店だのをひやかしたのち、海岸通りのヴェルネ・クラブに行った。……」。
ここからは、私の推定です。堀辰雄と竹中郁が歩いた道を辿ってみました。先ず、”古本屋だの古道具店”です。次に訪ねた”海岸通りのヴェルネ・クラブ”から考えると、元町通りを西に向かったのだとおもいます。古道具屋で有名なのは、菊田一夫の「がしんたれ」で登場するお店、元町五丁目の「珍物屋」です。菊田一夫が幼い頃に働いていたお店です。現在は中華料理屋になっていました。まとめると、二人は「HOTEL
ESSOYAN」からトアロード(名前には諸説あります)を大丸前まで下り、元町通りを一丁目から六丁目までを”古本屋だの古道具店”を見ながら歩いたのだとおもいます。元町六丁目の角にあった三越神戸店にたどり着きます。
★写真は大丸神戸店の前、元町通り、元町一丁目の入り口です。元町通りは元々西国街道の街道筋で、そのまま商店街になっています。一丁目から六丁目まであり、約1.1Km程が商店街になっていますが、5〜6丁目付近は寂れて、寂しいかぎりです。