kurenaidan30.gif kurenaidan-11.gif
 ▲トップページ 著作権とリンクについて メール

最終更新日:2006年2月22日

haruki-title20.gif


●「少年カフカ」の青山を歩く -1- 初版2003年9月6日 <V01L04>

 「海辺のカフカ」の話題をそろそろ取り上げたいと思っていたのですが、本編より話題の多そうな「少年カフカ」を先に取り上げます。特に”食べる、飲む”話の方がよさそうなので、「少年カフカ」で書かれている「春樹の青山」を歩いてみました。

haruki-aoyama12w.jpg 先日、村上龍の「村上龍自選小説集」を読んでいたら、解説を柄谷行人が書いていて、その中に村上春樹について簡単なコメントがありました。「…日本のポストモダニズムにおいて、村上龍はけっして主流にはならず、村上春樹の「風景」が支配的となった。……村上春樹は川端康成の現代版なのである。…」、うむ〜、柄谷行人は相変わらず難しいが、感覚的に理解できる、やっぱり村上春樹は川端康成なのか!@?吹Y♯♂§♀≠(わけわかんなくなってきた)、なんて考えずに、彼女と二人で楽しく青山、表参道を歩いて、飲み食べましょう!!

左の写真は村上春樹編集長の「少年カフカ」の表紙です。この本は、2002年6月から2003年2月14日まで期間限定で公開された村上春樹「海辺のカフカ」公式ホームページのコンテンツを編集したものだそうです。全部で1220件のQ/Aが掲載されています。Aはすべて村上春樹ご自身で書かれたそうです。今回はこのAの中から、青山に関する話題を取り上げました。

haruki-aoyama11w.jpgドトールコーヒー青山三丁目店>
 「…今朝はドトール・コーヒーに行ってジャーマン・ドッグを食べました。…」、村上春樹から”ドトールコーヒー”の話題が出てくるとはおもいませんでした。もう少しカッコいい”STARBUCKS”のほうが私個人としてはうれしいのですかが!(ドトールの方ごめんなさい)!

左の写真は、村上春樹が住んでいる南青山のマンションから一番近い、青山通りの”ドトールコーヒー店”です。青山通りには数軒の”ドトールコーヒー”のお店があり、写真のお店は”青山三丁目店”(東京都港区南青山3-13-1)です。私も村上春樹と同じオーダーで、カフェラテのアイスとジャーマン・ドッグをたのみました。


haruki-aoyama13w.jpg青山通りと表参道の角の交番の所のうなぎ屋>
 「僕は昔、表参道と青山通りの角の交番の前にあった小さなしもた屋風のうなぎ屋さんが好きで、よく食べに行きました。もう今はなくて、「SUBWAY」かなんかになってしまったんですが、値段もそんなに高くなくて、いつも座布団の上で大きな猫が昼寝していて、とてもいい感じのうなぎ屋さんでした。猫をなでながらうなぎが出てくるのを待っていて、出てくるとふたをとって、山椒をぱらぱらとかけて、それから割り箸をおもむろに割って、くんくんとうなぎのいい匂いを嗅いで、まずは肝吸いを軽くすすり・・・なんて書いているとだんだんうなぎ、食べたくなってきますね。…」、残念ながら書かれているとおり、表参道交差点の”うなぎ屋”さんはありませんでした。東京で、すこし気の利いた、うなぎを食べようとしたら最低3千円は覚悟しないとだめでしょう。お店としては野田岩や尾花…・・でしょうか。

右の写真の正面左が青山通りと表参道の交差点角の交番です。交番の右隣、少し奥に”SUBWAY”がありますが、この場所に村上春樹の書いている”うなぎ屋”さんがあったのだとおもいます。残念ながらお店の名前はわかりませんでした。

haruki-aoyama16w.jpgマクドナルド表参道店>
 「…やっぱりカーネル・サンダーズですよ。僕はフライド・チキンって食べないから、一度も入ったことないんですけど。マクドナルドには年に二回くらい入ります。ダンキン・ドーナッツにはわりに入っていたんだけど、なくなっちゃうし(ぶつぶつ)。…」、村上春樹はファーストフードでは”ダンキン・ドーナッツ”が一番好きだったようです。でも年に二回ぐらいは”マクドナルド”に入るのですね。私も村上春樹と同じくらいの比率で”マクドナルド”に入ります。たまに食べるとなかなか美味しいです。

左の写真は”マクドナルド”表参道店です。青山通りには南青山店がありますが、青山界隈ではやはりこの表参道店のテラスで食べるビッグマックが最高です。ちょっとほめすぎかな!

haruki-aoyama13w.jpgありそ亭>
 「…最近青山に「ありそ亭」という福井料理の店ができまして、そこでおろしそばを食べることができます。おいしいのでちょくちょく食べています。「塩そば」というのもあります。そこのビルに入っているのは全部福井県関係のお店です。なかなか面白いところですよ。…」、いままで紹介したお店とは違って、レベルが高いお店です。昼食は平日で1200円、土日で2千円から3千円位です。福井県三国温泉の料理旅館「荒磯亭」を母体にした旬の料理とお酒を味わえるお店です。お店のあるテラスも含めた全体が福井県関係のお店だそうです。

右の写真が村上春樹が紹介している「おろしそば」と「塩そば」です。それぞれ600円で消費税込みで1260円でした。両者ともさっぱりした味で、ソバは抜群です。若い人にはもの足らないかもしれませんが、これだけのソバは滅多に食べられません。(港区南青山5−4−4 グロッセリア青山1F 03-5466-5820)

次回も引き続いて”「少年カフカ」の青山を歩く -2- ”を掲載します。

●「少年カフカ」の青山を歩く -2- 初版2003年9月13日 <V01L03>
 今週は先週に引き続いて”「少年のカフカ」の青山を歩く”の二回目を掲載します。今週はお酒の話題も取り上げていますので、昼間の青山ばかりでなく夜の青山も楽しんで下さい。

haruki-aoyama12w.jpg まず最初に紹介するのは某バーです。少年カフカでは”青山の某バー”となっているのですが、少し古くなりますが「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」の中ではちゃんと名前が出てきます。「…そのあと例のごとく「アルクール」 に行ってお酒を飲んだ。でも今考えても、あの十七年前の日本シリーズは本当にスリリングで面白かったよな。阪急のピッチャーも足立、山田、今井と相手に不足はなかった。痛だけれど、松岡、安田、鈴木よりも格は上だった。チャック・マニエルが銘を打ち込むみたいに、外野席(後楽園球場だつた) 最上段にライナーで叩き込んだホームランも忘れられない一発だった。そういえば大杉のレフト線のホームランの判定を巡って、上田監督が涙の抗議を一時間やった。あれはたしかにファールだったかもしれない。そんな細かい情景のひとつひとつを「アルクール」 のカウンターで、まるで昔つきあっていた女の子のことを思い出すみたいに、一人でぼんやりと思い出していた。たかが野球の試合なんだけれど、あの年の試合にはひとつひとつ妙に心に引っかかるものがあつた。なにはともあれ、やっぱり日本シリーズは昼間やるものですよね。」、野球の話題が出てきたので、今年は阪神が優勝しそうですが(今日現在はマジック2なのだ)、名古屋か岡山か分からない星野監督で優勝してもぜんぜんですね。やはり監督は浪花の春団治(川藤幸三)でないとおもしろくありません。因みに「浪花のジョー」は辰吉丈一郎、「浪花のロッキー」は赤井秀和、「浪花のモーツァルト」はキダ・タローというそうです。東京近辺では「ハマの番長」は三浦大輔(横浜)ですね!!

左上の写真は「ガルフ・ストリーム」、もとい、「シベリア・エキスプレス」です。村上春樹編集長の「少年カフカ」では二度登場します。「こんにちは。正直言って僕はペリエ中毒です。プレーンのペリエが好きです。僕が好きなのは、ウォッカをペリエで割って、そこにレモンを絞る飲み物です。僕はこれを個人的にシベリア・エキスプレスと名づけています。おいしいですよ。」、「ただ、いつも同じ名前で呼んでいると飽きるので、ちょくちょく呼びかたを変えているだけです。「ガルフ・ストリーム」と呼ぶこともあります。中身はまったく同じです。僕がちょくちょく行く青山の某バーでは、たとえどのような名前で読んでも、常にこのドリンクがずっと出てきます。」、ふむ、私も青山の某バーで飲んでしまいました。個人的にはジン系がすきなのですが、ペリエもいいですね。ただし、アルコール度はかなりなものなので、要注意です。
※この写真はVGAに拡大しません。なぜかというとピンぼけだったからです。お店の写真を少しだけ載せておきます。

残念ながら、”アルクール(harcourt)”が2008年12月27日で閉店します。25年間ご苦労さまでした。

haruki-aoyama11w.jpg青山ブックセンター>
 村上春樹がよく本を買うお店が「青山ブックセンター」です。村上春樹編集長の「少年カフカ」では、「…こんにちは。青山ブックセンターって、えんえん地下に降りていくという雰囲気がありますよね。僕はあそこで本を買って、向かいのカフェーに座って買ったばかりの本を読むのがわりに好きです。…」、場所が分かりにくいせいか、非常に空いているお店です。のんびり本を見て、「UN cafe」でお茶するのがいい!

左の写真の正面下右側が青山ブックセンターで、左下がUN cafeです。青山通りの青山学院大学の向かえ側、国連大学本部とJBPオーバルビルの間を入り、エスカレーターで地下に下ります。休日の人出の多い日でものんびりできるスポットの一つです。


haruki-aoyama13w.jpg根津美術館隣のアフタヌーン・ティー(今はない)>
 期待していたのですが、このお店はもうありません。「…青山ってカフェは多いんだけど、ゆっくり本が読めるところって意外にないんですよね。根津美術館のとなりにあった「アフタヌーン・ティー」がけっこう好きだったんだけど、なくなっちゃったし。僕はこの三連休、せっせとメールを読んで、返事を書いておりました。「バースデー・ストーリーズ」の翻訳チェックをしていました。それからヤクルトの試合をテレビで見て落ち込んでいました。…」。このお店は村上春樹が事務所にしているマンションのすぐ側です。近くなのでよく通っていたのだとおもいます。

右の写真は南青山四丁目の交差点です。交差点の反対側左に根津美術館があります。お店は写真の右側辺りにありました。

haruki-aoyama16w.jpg梅好(関西寿司、むし寿司)>
 青山からは少し外れますが、西麻布にある「梅好」というお寿司屋さんを紹介します。「…はい。そういえば西麻布の「梅好」で読者の方と一度握手した覚えがあります。もう20年も前のでしたっけ。僕も急に声をかけられてびっくりしました。寿命が15分くらい縮みました。(15分くらいべつにいいんですけれど)。あそこの「関西ちらし」はおいしいですね。…」、お寿司屋さんといっても江戸前寿司ではなくて、ちらし寿司、むし寿司のお店です。持ち帰りの方が多いそうです。このお店は村上春樹というよりは向田邦子の「う」の話の方で有名ですので、御存じの方多いのではないかとおもいます。お店の方と話していたら、向田邦子はよく御存じだったそうですが村上春樹は??だそうです。”村上春樹の本にお店の名前がある”というと、”事前に話はなかったな”といっておられました。

左の写真が「梅好」です。西麻布の交差点から外苑西通りを広尾の方に少し歩いて左に入ったすぐの所にあります。お寿司の写真も載せておきます。

haruki-aoyama13w.jpgadding:blue>
 南青山の”ブルーノート”はよく御存じだとおもいます。そのレストラン部門がadding:blueです。「…青山にadding blue という洒落たバーレストランがあります。ジャズクラブ「ブルーノート」の別館みたいなもので、だからadding blue なんですね。うちとはまったく無関係ですが。僕はブルーの服を着ることが多いです。わりに青とか紺とかが似合うんです。…」、ジャズが好きな方は洒落たお店で食事をしながら、というのもいいですね。残念ながら私はまだ入ったことがありません。そのうちいってみようかなともおもっています。

右の写真は「ブルーノート」の正面です。根津美術館のよこですので、散歩しなからというのもいいです。ただ、夜しか開いていないので、彼女と二人がイイのではないでしょうか。

次回は「安西水丸の青山」も特集したいとおもいま〜す。


青山付近地図
haruki-aoyama-map2.gif


【お店の紹介】
・GHEE(ギー):東京都渋谷区神宮前2-18-7フードビル1F 03-3401-4023
・ル・コント:東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館B1F 
・大坊珈琲店:東京都港区南青山3-13-20 2F 03-3403-7155
・ドトールコーヒー南青山店:東京都港区南青山3-13-1
・マクドナルド表参道店:東京都渋谷区神宮前4-2-11
・ありそ亭:港区南青山5-4-4 グロッセリア青山1F 03-5466-5820
・青山ブックセンター:渋谷区神宮前5−53−67コスモス青山ガーデンフロア(B2F)
・アディング・ブルー:東京都港区南青山6-3-16 ライカビル1F 03-5485-2266
・梅好:港区西麻布3-13-31

【参考文献】
・風の歌を聴け:村上春樹、講談社文庫
・1973年のピンボール:村上春樹、講談社文庫
・羊をめぐる冒険(上、下):村上春樹、講談社文庫
・世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(上、下):村上春樹、新潮文庫
・ダンス・ダンス・ダンス:村上春樹、講談社文庫
・ノルウェイの森(上、下):村上春樹、講談社文庫
・さらば国分寺書店のオババ:椎名誠、新潮文庫
・村上朝日堂:村上春樹、新潮文庫
・村上朝日堂の逆襲:村上春樹、新潮文庫
・村上朝日堂はいかにして鍛えられたか:村上春樹、新潮文庫
・村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた:村上春樹、新潮文庫
・村上朝日堂 はいほー!:村上春樹、新潮文庫
・辺境・近境:村上春樹、新潮文庫
・夢のサーフシティー(CD−ROM版):村上春樹、朝日新聞
・スメルジャコフ対織田信長家臣団(CD−ROM版):村上春樹、朝日新聞
・村上春樹スタディーズ(01−05):栗坪良樹、拓植光彦、若草書房
・イエローページ 村上春樹:加藤典洋、荒地出版
・イアン・ブマルの日本探訪:イアン・ブルマ(石井信平訳)、TBSブリタニカ
・村上春樹の世界(東京偏1968−1997):ゼスト
・村上春樹を歩く:浦澄彬、彩流社
・村上春樹と日本の「記憶」:井上義夫、新潮社
・象が平原に還った日:久居つばき、新潮社
・ねじまき鳥の探し方:久居つばき、太田出版
・ノンフィクションと華麗な虚偽:久居つばき、マガジンハウス
・少年カフカ:村上春樹、新潮社
海辺のカフカ(上、下):村上春樹、新潮社
 

 
 ▲トップページページ先頭 著作権とリンクについて メール