kurenaidan30.gif
 ▲トップページ 著作権とリンクについて メール

最終更新日:2006年2月22日

haruki-title20.gif


●《村上春樹の世界》青山を歩く

     初版2002年7月9日
      二版2003年2月17日 一部修正 
<V02L04>

 「村上春樹の世界」で、やり残したところを少しづつフォローしていきたいと思います。まず今週は「村上春樹お薦めの青山周辺」を歩いてみようと思ったのですが、内容は「村上春樹の食を歩く」の「青山編」になってしまいました。

 食に関してはけっこうあちこちに書いているのですが、今日は「村上ラヂオ」から「リストランテの夜」をピックアップしてみました。「…我々がテーブルについたとき、少し離れた席に若い男女がいた。……男性は「そろそろ誘おうかな」と思っているし、女性の方も「応えてもいいかな」と思っている。うまくいけば食事のあと、どこかのベッドに向かうことになるかもしれない。テーブルの真ん中にフェロモンの白い霧が漂っているのが見える。…プリモ・ピアットが運ばれてきたときに文字どおり雲散霧消してしまった。というのは、その男性が 「ずるずるずるずる!」というすさまじい音を立てて、パスタを喉の奥に送り込んだからだ。…それを耳にして僕も凍りついたし、うちの奥さんも凍りついたし、ウエイターもソムリエも凍りついた。向かいの席の女性もしっかり凍りついていた。すべての人が息をのみ、すべての言葉を失った。でもその当事者の男性だけは、無心に、ずるずるずると、いかにも幸福そうにパスタをすすり続けていた。あのカップルはその後どのような運命をたどったのだろう。今でもときどき気になる。」、なかなか面白いです。でもこの若い男性はあまりにイタリアンパスタの食べ方にについて無知です。目的を達成するためには労を惜しんではいけません、必ず事前にチェックすべきですね。

左の写真は下記で紹介しているGHEEのカレーです。見ていると、おいしそうなんですが、やたらと辛いカレーで量もかなりあります。

GHEE(ギー)>
 村上春樹が紹介しているカレー屋さんです。「僕と水丸さんはよく「ギー」のカレーを食べに行きます。神宮前(KANSAIの向かいあたり)にある、音楽はレゲエしかかけないカレー屋さんです。辛いんですよね、これが。」。私も食べましたが、とにかく辛い、生半可ではありません。ギーという名前はインドでよく使われている純植物性食用油脂の名前です。このお店少しいい加減で、開店時間に行っても、アルバイトの女の子が店の前でマスターがくるのを待っていました。なかなか開かないお店です。味の方はなかなかなのですが!

左の写真のビルの一階に「GHEE」があります。小さなお店で十数人入るといっぱいです。内装は村上春樹が書いている通り、レゲエ風のお店ですね。上の写真の手前が野菜カレーで1000円位だったとおもいます。


ル・コント>
 どの本に書いてあったか思い出すのが大変でした。「村上朝日堂の逆襲」の”国分寺・下高井戸コネクションの謎”の中に書かれていました。「これも夢とはあまり関係ないと思うけれど、前日青山一丁目の『ル・コント』 で久しぶりにアイスクリームを食べた」とあります。このお店の本店は青山一丁目の新青山ビル西館B1Fにあります。三越本店、新宿伊勢丹、丸の内の新東京ビル1Fにも出店していますのでよく知られているフランス菓子専門店です。

右の写真が青山一丁目の新青山ビル西館B1Fのお店です。私はここでは、”ルコント特性ジャーベットとアイスクリーム”と”パリブレスのケーキ”を食べました。シャーベットはきめが細かくて舌の上で融けていくのがなんともいえません。アイスクリームも絶品です。ケーキもなにか、普通のケーキじゃないですね。とにかく美味しい。ルコント特性シャーベットとアイスクリームは600円、ルコント特性ケーキは500円、フレンチコーヒーは500円でした。

大坊珈琲店>
 青山はSTARBUCKS等の新興のコーヒー店がどんどん出店しており、 昔ながらの喫茶店やコーヒー店は少なくなってきています。そのなかでも大坊珈琲店は個性的な珈琲店です。「夢のサーフシティ」の中で「あなたがどこに住んでいるのか僕は知りませんが、もし東京にお住いなら、青山通りの表参道交差点近く(赤坂寄り)にある「大坊」というコーヒー屋さんのコーヒーはとてもおいしいですよ。僕はだいたいいつも「3番」の濃さで飲んでいます。ここは豆もわけてくれます。」と書いています。もう一方では「こんにちは。僕もコーヒーは大好きで、いつもブラックで飲んでいます。「ツイン・ピークス」風に言えば、"BLACK, ....BLACK AS MIDNIGHT"です。」、もツイン・ピークス風がいいですね。コーヒー以外では紅茶が好きそうで「青山近辺は「大坊」をべつにすると、おいしいコーヒー専門店があまりないのですが、そのかわり最近になって紅茶専門店がいくつかできて、どれもけっこう質が高いです。僕が好きなのは、外苑東通り(墓地の向かい)にある「ブラマー・ハウス」という店で、60歳くらいのこだわりおじさんがテーブルをまわって、おいしい紅茶を入れてくれます。ときどき散歩して墓地を横切って、紅茶を飲みに行きます。音楽がかかっていなくて、店内禁煙なので、僕は気に入っています。スコーンもおいしいです。ここはミルク・ティーしか出してくれないのですが、ミルク・ティーが好きではない僕でさえ、おいしいと思います。」とも書いています。

左の写真の二階が大坊珈琲店です。少し暗めのお店ですがマカボニー調の店内は雰囲気がよく、1−5の濃さでコーヒーを頼みます。濃さによって値段も違います。コーヒーに関してはあまり知識かないのですが、私が飲んでも美味しいと思うのですから,器も含めてあじは一流です。


青山付近地図


【お店の紹介】
・GHEE(ギー):東京都渋谷区神宮前2-18-7フードビル1F 03-3401-4023
・ル・コント:東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館B1F 
・大坊珈琲店:東京都港区南青山3-13-20 2F 03-3403-7155

【参考文献】
・風の歌を聴け:村上春樹、講談社文庫
・1973年のピンボール:村上春樹、講談社文庫
・羊をめぐる冒険(上、下):村上春樹、講談社文庫
・世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(上、下):村上春樹、新潮文庫
・ダンス・ダンス・ダンス:村上春樹、講談社文庫
・ノルウェイの森(上、下):村上春樹、講談社文庫
・さらば国分寺書店のオババ:椎名誠、新潮文庫
・村上朝日堂:村上春樹、新潮文庫
・村上朝日堂の逆襲:村上春樹、新潮文庫
・村上朝日堂はいかにして鍛えられたか:村上春樹、新潮文庫
・村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた:村上春樹、新潮文庫
・村上朝日堂 はいほー!:村上春樹、新潮文庫
・辺境・近境:村上春樹、新潮文庫
・夢のサーフシティー(CD−ROM版):村上春樹、朝日新聞
・スメルジャコフ対織田信長家臣団(CD−ROM版):村上春樹、朝日新聞
・村上春樹スタディーズ(01−05):栗坪良樹、拓植光彦、若草書房
・イエローページ 村上春樹:加藤典洋、荒地出版
・イアン・ブマルの日本探訪:イアン・ブルマ(石井信平訳)、TBSブリタニカ
・村上春樹の世界(東京偏1968−1997):ゼスト
・村上春樹を歩く:浦澄彬、彩流社
・村上春樹と日本の「記憶」:井上義夫、新潮社
・象が平原に還った日:久居つばき、新潮社
・ねじまき鳥の探し方:久居つばき、太田出版
・ノンフィクションと華麗な虚偽:久居つばき、マガジンハウス
 

 
 ▲トップページページ先頭 著作権とリンクについて メール