<Hot・Dog PRESS>
ホットドッグ・プレスとは懐かしい雑誌です。当時としては流行の雑誌だったと思います。この雑誌にどう言うわけか「”HUMAN・HOT・INTERVIEW
SPECIAL”として『風の歌を聴け』 村上春樹VS大森一樹」が掲載されていました。
「──
まず映画をご覧になった感想を村上春樹さんの方から……。
村上:観ていてやっぱり緊張しちゃうのね。人の映画だと、全然関係なく感想をバリバリ言えるんだけれども、自分の原作だと客観的になれない部分がすごくあるんですよね。だからうまく感想は言いにくいんだけど、感いしはすごく良かったと思う。というのは役者の人がね、僕が思っていたよりずっと良かった。すごく素直というか。
大森:役者も、キャスティングしている時は、自分でもいいな思て決めるでしょ。試写会で原作者と会って、あっと思った。ひょっとしたら全然違うかったんちゃうかなと。そこで初めて原作者のこと思い出した。
村上:割に頭の中で観念的に書いちゃう方だから、顔ってのは肉付けが全く出来てないんですよね。だからセリフなんかも、あれは普通ナマの人の話すセリフじゃないのね。それがナマで出てくるからね、ヤバいなあと思って……。
大森:一カ所字幕にしちゃった(笑)。
村上:全部字幕にしちゃった方がいいんですよ。英語かなんか喋らせてね。僕は日本語の小説というのはほぼ読んでない人だから、どうしても翻訳の言葉になっちゃうのね。だから映画にしにくかったんじゃないかなという気がすごくする。…」。
この雑誌は昭和56年12月10日号ですから、映画「風の歌を聴け」が封切りされる時に合わせて記事にされた、とおもいます。映画の評価は今一歩だったようです。
★左上の写真は「Hot・Dog PRESS」の昭和56年(1981)12月10日号です。25年前のファッションがよく分かります。