<「文士たちの伊豆漂泊」、鈴木邦彦>
太宰治は昭和15年7月3日から15日まで伊豆に滞在しています。そのときのことを詳細に書かれたのが、鈴木邦彦さんの「文士たちの伊豆漂泊」です。内容が豊富で非常に面白いです。
鈴木邦彦さんの「文士たちの伊豆漂泊」からです。
「 伊豆の文学と私−あとがきにかえて
文学散歩という形ではじめて伊豆の文学に出会ったのは、昭和三十九年、大学四年の夏休みである。教育実習でお世話になった母校松崎高校の当時の文芸部の顧問、中山高明先生が、文芸部員の夏休みの研修旅行である伊豆湯ヶ島中心の文学散歩に誘ってくださったのである。…
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また、昭和十五年、太宰、井伏・亀井らが、河津南豆荘で水害に遭った話を、南豆荘の女将池田芳子さんから直接伺うことができた。その後、その他の太宰治と伊豆に関する事蹟を探り、それらをまとめて、昭和四十六年「太宰治と伊豆」として「伊豆新聞」に二十回連載させていただいた。…
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平成九年、静岡県が始めた伊豆文学フェスティバルの、伊豆文学の案内書を静岡新聞社から出すことになり、静岡新聞出版局長の小柳津隆弘氏がその著者として私を推薦して下さり、写真入りの『伊豆文学紀行』が完成した。
本書、「文士たちの伊豆漂泊」は、小柳津局長が、もっとくわしい伊豆の文学の本をまとめてみたら、とすすめて下さり、太宰没後五十年の今年、出版されることになったものだ。…」。
上記の鈴木邦彦さんの「文士たちの伊豆漂泊」では、太宰治(井伏鱒二)、川端康成、梶井基次郎、三島由紀夫、若山牧水、井上靖の伊豆について書かれています。
★写真は平成10年に静岡新聞社から発行された鈴木邦彦さんの「文士たちの伊豆漂泊」です。非常に詳細に書かれており、平成10年と現在の違いだけを見ておけばいいので、助かりました。