今週はカレーライスを食べ歩いてみました。すこし一般的ですが、ときたま食べるカレーほど美味しいものはありません。今回は個性的なカレーが多かったので、食べ飽きることもなかったです。
寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」、ではありませんが、家のなかで本ばかり読んでいては不健康なので、今週は思い切って(減量中なので気になります!)なにか食べ歩きをしてみることにしました。知り合いの女の子で、自由軒のカレーが話題になっていたので、今回はカレーの食べ歩きをしてみようとおもいました。そこで、すこし古い号の雑誌「サライ」に「あの人の愛したライスカレー」の特集があったのを思い出して、この雑誌に掲載されているカレー屋さんを回ってみました。カレーというと夏目漱石の「三四郎」にも本郷通りのカレー屋が書かれています。「…本郷の通りの淀見軒と云う所に引っ張って行って、ライスカレーを食わした。淀見軒と云う所は店で果物を売っている。新らしい普請であった。ポンチ画をかいた男はこの建築の表を指して、これがヌーボー式だと教えた。三四郎は建築にもヌーボー式があるものと始めて悟った。…」。アールヌーボーの淀見軒の所在を探してみましたが、残念ながら本郷通りしかわかりませんでした。昭和3年に発行された大東京繁昌記で徳田秋声が「大学界隈」を書いていますが、そのなかに淀見軒が出てきます。「…後小石川にへ移ってから本郷通りの淀見軒という家があることを知ったが、神田の泉屋に比べると非文化的で、食べ物も進歩していないし、気分も粗野であるのが飽き足りなくて余り足が向かなかった。それは後に牛肉屋になったが、直にやめた。…」。三四郎(夏目漱石?)の食したカレーライスはあまり美味しくなかったようです。
★左の写真が1993年10月7日号の雑誌「さらい」です。創刊4周年記念特大号で”老舗で味わう あの人の愛したライスカレー”として、特集しています。
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