<芥川龍之介全集 年譜>
芥川龍之介の年譜としては芥川龍之介全集の年譜が集大成版だとおもいます。全集も何版か版数を重ねてくると、見やすくなり、解説もついて、本人を知る上で一番の書籍となります。版を重ねた全集は誰が買うのかなと思ったのですが、私が買うくらいですからきっと皆さんも買っているのだとおもいます。
「芥川龍之介全集 24巻 年譜」より(大正11年4月)
「 4月
1日(土) 儔、フキを連れて京都・奈良方面の旅行に出かけるか【1086】。京都では「富土亭」に滞在し、瓢亭を訪れたり、花見や都踊り見物と、呑気に過ごした【1090-1093】。
8日(土) 京都・奈良方面の旅行から帰宅する。渡辺庫輔に、長崎再遊の予定(25日出発、京都に二、三日滞在した後、長崎到着)を知らせ、宿の手配を依頼する【1094】。
13日 午後6時、神田基督教青年会館で行われた、春陽堂主催の英国皇太子来朝記念莫文学講演会で「ロビン・ホット」と題して講演をする。他に野口米次郎(「英詩論」)、厨川白村(「英文学と良族性」)、スペイト(帝天教授。英語講演)らが講演をした【「ロビン・ホット」H・文献18】。
16日(日) 田端の白宅で、Anatole France "the wicker work woman ; a chronicle
of our own times"を読了【倉智1】
「「点心」自序」を脱稿。
22日(土) 佐藤春夫から『南方紀行』を贈られ、礼状を書く【1098】。
23日(日) 午前、『沙羅の花』出版に関する相談のため、小穴隆一、横関愛造が来訪するか【1096】。
25日 朝、長崎再遊旅行に出発【1100・1101】。…」
芥川龍之介は京都経由で長崎に向かいます。何度京都を訪ねたかは把握していないのですが、私の「東京紅団」では、大正6年4月と、大正9年11月を掲載しています。芥川龍之介は京都が好きなようです。(別途掲載予定)
★写真は岩波書店版の「芥川龍之介全集」です。良く出来た全集です。たいへん参考になりました。