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最終更新日:2006年12月25日



●「愛と死をみつめて」のロケ地を歩く (劇場版)
  初版2006年9月23日 <V02L02>

 劇場版「愛と死をみつめて」のロケ地を歩いてみました。劇場版といえば吉永小百合主演ですね。昭和39年9月に初上映されていますので、東京オリンピック当時の大阪、京都の風景がよく分かります。

お二人の名前については、ミコ(大島みち子)さん、マコ(河野実)さんと書かせて頂きます。ミコ(大島みち子)さんについては正式には大嶋みち子さんです。マコ(河野実)さんは現在は河野實と掲載されています。


<日活版「愛と死をみつめて」>
 昭和39年9月に初上映された日活版「愛と死をみつめて」です。監督:斎藤武市、小島道子:吉永小百合、高野誠:浜田光夫、小島正次:笠智衆、母:原恵子で撮影されています。小島道子はミコ(大島みち子)さん、高野誠はマコ(河野実)さんの事ですね。それぞれ@少しの字違いで直接の表現は避けています。「…不治の病に冒された時、人間はそれを乗り越え、最善の方法をとって生きる努力をすることができるだろうか、死を静かに受け止められるでしょうか。私が、もし今、治らない病気になってしまったとしたら、はっきりと知らせて欲しい。そしてその中でしっかりと生と死を見つめて生き抜くことができる人間になりたいと思う。 それは『愛と死をみつめて』の原作者大島みち子さんが、彼女の日記を通して無言のうちに私に教えてくれたことでした。……マコもミコも、まわりを取り囲んでいるスタッフも、みんな泣いていました。『愛と死をみつめて』は、一九六四年、東京オリンピック開催の直前に封切られ、大ヒットしました。…」。これは吉永小百合の「夢一途」の「愛と死をみつめて」の章で書かれています。このあたりのことは『「愛と死をみつめて」の本を歩く』に書かれていますので読んでいただければとおもいます。

左上の写真が日活版「愛と死をみつめて」のDVDです。今年一月にDVD版が発売されています。朝日放送の「愛と死をみつめて」が放送されるので発売されたようです。関川夏央の「昭和が明るかった頃」では、「吉永小百合は、『愛と死をみつめて』を発売直後の一月十二日に一気に読み、その日の日記にこう書いた。 「読んでいても、あとからあとから涙がわいてきて、歯をくいしばってもこらえることができなかった。いつも”強く生きる”ことを忘れなかった大島みち子さん。そして時には、ひどいことを書いたりしてもつねにみち子さんを励ますことを忘れなかった河野実さん。清水で身体をうたれたようになった」(『こころの日記』)……吉永小百合は、この二冊を読み、大島みち子の役を演じたいとほとんどはじめて積極的な意欲を抱いた。その気持を会社にもつたえ、企画の実現を心待ちにした。…」。自らをミコ(大島みち子)さんに写しているのではないでしょうか。


清水寺にて>
 映画のロケ地に入る前に「愛と死をみつめて」の初期の本の中の写真に清水寺で撮影されたミコ(大島みち子)さんの写真が掲載されていました。写真のコメントには『清水寺にて(同志社大学入学の年)、手前はいとこの○○』と書かれていました。清水寺の何処で撮影されたのかなと思って探してみましたら、撮影場所がわかりました。写真にはミコ(大島みち子)さんといとこの女性が写っていました。二人並んでいますが奥がミコ(大島みち子)さんです。服装からすると初夏ではないかとおもいます。7月には入院していますので5月ごろではないかと推測します。

左の写真の手すりの向うの端から4mの所辺りです。もっとも当時は写真に写っている金属製の手すりはありませんでした(写真には写っていない)。この写真と同じ構図で二人は撮影されていました。

友人との清水寺での撮影>
 映画でも清水寺で撮影されています。多分、上記の写真から清水寺が撮影場所に選ばれたのだとおもいます。ただ、撮影場所はこれぞ清水寺と分かる場所でした。

右の写真は映画でミコ(大島みち子)さん役の吉永小百合と同志社大学の友人たちが写真撮影した場所です。奥の院の前だとおもわれます。この場所は余りに有名で、清水寺の中でも最も有名な撮影ポイントです。

京都清水寺地図




同志社大学構内-1->
 朝日放送版の「愛と死をみつめて」では同志社大学は東京の杉並区高井戸西の浴風園で撮影されましたが、劇場版ではちゃんと本物の同志社大学で撮影されていました。撮影で使った建物もそのまま残っていました。

左の写真辺りが撮影に使われました。向うからミコ(大島みち子)さん役の吉永小百合と同志社大学の友人たちが一緒に歩いてくるシーンです。もっとも当時は自転車置き場はありませんでした。左側の自転車置き場の先にベンチがありますが40年前のままのようです。

同志社大学構内-2->
 40年前ですから京都での撮影もそんなに難しくなかったのでしょう。この写真の入口の所でも撮影されています。

右の写真の付近でも撮影されていました。

京都御所>
 京都御所の北側の今出川通り沿いに同志社大学がありますので、同志社大学の次に京都御所の場面が使われても不思議ではありません。

左の写真の向こう側から此方側にミコ(大島みち子)役の吉永小百合が歩いてきます。そしてこの角を左に曲がります。実際はこの後ろ側にある木の後ろ側から撮影されています。40年経つと木が大きくなってこの角が見えなくなっていました。

京都御所、同志社付近地図




中之島公会堂前>
 ミコ(大島みち子)さんとマコ(河野実)さんが中之島公園にデートに行く場面に使われています。本ではミコ(大島みち子)さんと妹さん、マコ(河野実)さん三人でタクシーに乗って中之島公園にいきます。映画のシーンとしては阪大病院から中之島公会堂を通って中之島公園に行くわけです。

左の写真の少し先の所を二人で歩いています。40年前は木は殆ど無くて、向こう側のビル街が見えました。ただ、当時は今ほどビルが多くはなくて、映画に写っていたビルはその後に建てられたビルの陰になって見えなくなっています。

中之島公園-1->
 映画の二人は中之島公会堂を通って難波橋から中之島公園のバラの広場に下ります。

右の写真の階段をミコ(大島みち子)さん役の吉永小百合とマコ(河野実)さん役の浜田光夫が二人で下りてきます。この階段は難波橋から中之島公園のバラの広場に下りる階段です。当時と全く同じ構図で撮影しています。この階段の撮影はもう一つ、少し離れたところからも撮られていました。


中之島公園-2->
 二人は中之島公園のバラの広場のベンチに座ります。映画で使われたベンチとは少し違うようで、又、場所も少し違いますが、アベックが座る場所としては最高です。ミコ(大島みち子)さん役の吉永小百合とマコ(河野実)さん役の浜田光夫になった気分でどうでしょうか!!

左の写真が現在のベンチです。後ろのビル街の風景は少し変わっていますが、バラの広場は変わっていないようです。

阪大病院南館屋上-1->
 阪大病院南館の屋上として撮影に使われたダイビル屋上です。阪大病院跡地から見ると堂島川に架かる田蓑橋を挟んで向かい側になります。劇場版「愛と死をみつめて」が撮影された昭和39年はまだ阪大病院が福島にあり、転居はしていませんでした。撮影に阪大病院を直接使うことが出来なかったのでしょう。

右の写真が阪大病院南館屋上として二人が歩いた場所です。構図は映画と全く同じです。ビルも当時のままで、屋上も、金網も当時と変わっていないようです。ただ違うのは周りの風景です。当時は金網の向うに阪大病院が左に、電話局が右側に見えていました。

阪大病院屋上-2->
 ダイビル屋上は三ヶ所で撮影されています。二ヶ所目が二人が金網に寄り添って撮影された場所です。此方も周りの風景が変わっています。高速道路は撮影時には建設されていたようです。もう一ヶ所は屋上の端に二人が座ったところです。

左の写真の金網にミコ(大島みち子)さん役の吉永小百合とマコ(河野実)さん役の浜田光夫が寄り添って話をしています。この撮影に使われたダイビルは大正14年(1925)9月に建設されています。ビルの中には商店もあり、当時としては最新鋭のビルだったようです。残念ながら近日中に建て直されるようです(屋上へは平日は立ち入ることが出来ます)。

福島公設市場>
 本物の福島公設市場で撮影されていました。昭和39年当時はまだ福島公設市場は阪大病院の西側にありました。

右の写真の正面のビルの一階が福島公設市場です。現在はビル自体は残っていますが、市場は移転して一階は閉鎖されています。撮影はビルの中の市場で撮影されたようです。

大阪駅>
 ミコ(大島みち子)さんのお父さんを大阪駅で送る場面に使われています。本物の大阪駅で撮影されています。

左の写真が撮影に使われた大阪駅三番線です。現在の大阪駅は改装中で階段の位置か変わっています。当時はこの写真の左側に階段が在ったのですが無くなっていました。少し手前にエスカレーターが造られています。

劇場版「愛と死をみつめて」でロケに使われた場所はほぼ網羅しました。

梅田付近地図





【参考文献】
・「愛と死をみつめて」終章 もうひとりのミコ:河野実 大和書房
・その後の「愛と死をみつめて」 佐智子の播州平野:河野実 フーコー
・愛と死をみつめて ある純愛の記録:河野実 大島みち子 大和書房
・若きいのちの日記 愛と死の記録:大島みち子 大和書房
・大阪大学一覧(昭和35年度):大阪大学総務部
・メダカはどこへ;河野實、展望社

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